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九谷焼

焼き物にあまり詳しくない人でも九谷焼の名前は聞いたことがあるでしょう。

石川県の九谷焼は、前にお話しましたように、幻とも言われる古九谷の謎めいた魅力も相まって、全国の陶器の歴史や文化のなかでユニークな地位を確立しています。

九谷焼の特徴と言えば、重厚な色彩の絵付けでしょう。

時代により、あるいは陶工により、その手法は異なりますが、絵付けを特徴的に用いるという点は古九谷の時代から一貫して変わらないものです。

「九谷五彩(くたにごさい)」と呼ばれる赤・黄・緑・紫・紺青の5色を中心に描かれます。

実は九谷で焼かれたものではない、とも言われている古九谷ですが、どこで焼かれていたにしてもその油絵を思わせる色彩感覚が、九谷焼の基礎となったことは間違いなさそうです。

古九谷の絵画的な表現は、大胆な構図と自由な線描きを見せて力強く感じられます。

古九谷の再現を図った「再興九谷」と呼ばれるいくつかの窯では、古九谷様式をイメージしながらも独自の工夫を加え、人物主体の赤絵写し、赤絵の細密描画、金彩などの世界を開拓していきました。

やがてこれらの手法を統合し、洋絵の具による細密な絵柄に金彩をほどこし、華麗な彩色金襴の世界を完成させたのが、明治時代の九谷庄三(しょうざ)です。

これは海外への輸出品としての評価も高く、それ以後の九谷焼の主流となりました。

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